@yuichirominato 2018.08.07更新 73views

量子コンピュータ企業XANADUの概要とサービスをみる。

光量子コンピュータ 連続量 量子コンピュータ

はじめに

世界には色々な量子コンピュータの企業があるものです。そのなかで今回はXANADUを取り上げてみたいと思います。

XANADU
https://www.xanadu.ai/

企業概要

まず大きくこう書いてあります。
「A QUANTUM PHOTONIC COMPANY」
どうやらフォトンを利用した研究開発を行なっている量子コンピュータ企業のようです。フォトニック量子コンピュータということですね。

所在地:
トロントにあるようです。

出資:
きちんと企業から出資を受けて運営をしている模様です。ホームページに投資元の企業が書いてあります。

メンバー:
主にクイーンズランドやトロント大学などの人たちが行なっているようです。オーストラリアやカナダはやっぱり量子コンピュータ強いですね。

事業内容:
ハードウェアとソフトウェアの両方を行なっているようです。もう少し詳しくみてみたいと思います。

ハードウェア

結構面白いです。常温動作するフォトニックチップを利用して量子ゲートモデルマシンを作っています。

コアとなる計算原理はフォトンの「スクイージング」のようです。
利点は超電導量子ビットのように冷やさなくていい「常温動作」のようです。

ということで、フォトンを利用した常温動作のハードウェアを研究開発して、周辺技術と一緒に開発を進めているようです。

フォトニックが大好きな人はトロントへ!

ソフトウェア

まず有名なのが、

Strawberry Fields
Open-source software for photonic quantum computing

ということで、フォトニック量子コンピュータ向けのオープンソースソフトウェア「ストロベリーフィールド」を提供しています。

こちらは、

A full-stack Python library for designing, simulating, and optimizing quantum optical circuits. Includes a suite of three simulators for execution on CPU or GPU.

ということで、CPU/GPUで動作するpythonベースのフルスタックシミュレーターのようです。かつフォトニックマシンでの最適化を行ってくれます。

Blackbird

こちらはオリジナルのプログラミング言語のようです。
こちらのページの飛ぶことでインタラクティブなインターフェイスで操作ができます。

https://strawberryfields.ai/

ハードウェア

ハードウェアをより細かくみてみたいと思います。こちらのページ。
https://www.xanadu.ai/hardware/

Xanadu designs and integrates quantum silicon photonic chips into
existing hardware to create truly full-stack quantum computing.

ということで、量子シリコンフォトニクスチップをハードウェアに組み込んでフルスタックの量子コンピュータを実現するとのことです。

1、電子ではなくてフォトン(光子)
Platform: Photonics
Instead of using electrons to carry information and perform calculations, we use photons. Unlike electrons, photons are very stable and are almost unaffected by random noise from heat. We use photonic chips to generate, control, and measure photons in ways that enable extremely fast computation.

ということで、他陣営とは異なり、電子ではなく安定な光子を使った量子計算を実現しているとのことです。

2、スクイージングを利用
Quantum Resource: Squeezing
“Squeezing” refers to reducing the fluctuations in a light beam. By squeezing light — changing the way it fluctuates at the quantum level — we can access a space of computational problems that no existing conventional supercomputer can tackle.

スクイーズド状態とは、量子雑音を圧搾した状態のこと。
参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%83%89%E7%8A%B6%E6%85%8B

スクイージング等現象を使って量子性を利用しているようです。

3、室温動作
Pathway to Room Temperature
Though some of our equipment does require cooling, this need is incidental and is not a fundamental limitation of our approach to quantum computation. Unlike other electron-based approaches, heat is not a source of noise for our photonic quantum computer. This allows us to build a roadmap to fully room-temperature operation, enabling broad deployment of quantum computers outside of an industrial setting.

他の超電導は真空かつ極低温で計算しないといけないのと対象的に室温動作を長所にあげています。

4、QUMODES
Qumodes: Beyond Qubits
In traditional quantum computers, information is stored in qubits, which can take on values of 0 or 1 and their superpositions. Our photonic approach uses “qumodes”, where information is encoded in a continuous variable. The amount of information carried in each qumode can be much larger than that in a qubit.

通常量子ビットは0か1か重ね合わせ状態で表現されますが、ここでは連続量というのを取れることを長所としています。

チップ

チップには3つの特徴があります。

「私たちはリソグラフィーで書かれたフォトニック集積回路を使って、最先端のフォトニクスを利用して、チップ製造用のファウンドリを開発しています。」

「レーザー光は、量子プロセッサーチップに動力を与え、ナノスケールのチャネルを通じて移動し相互作用します。」

「計算で圧縮された光の基本的なリソースは、チップ上で生成され、従来のチップでは扱いにくい計算に使用されます。」

周辺技術

チップは周辺技術や測定技術と一緒に実用化されるようです。

「集積された電気部品は、当社のチップを構成可能かつプログラマブルにする。」

「光は、世界で最も高度な光子検出器を使用して測定されます。」

「我々のチップから出現する光子を用いて、量子計算の結果が読み出される。」

ハードウェアまとめ

基本的な光子を利用した計算で測定を通じて計算結果を得るようです。このハードウェアの特性はこのあと紹介するソフトウェアにも活かされているので期待大です。

Strawberry Fields

Strawberry Fields
Open-source software for photonic quantum computing

とあるように、ストロベリーフィールズはフォトニック量子コンピュータ用のオープンソースソフトウェアのようです。

概要

こちらにwhitepaperが公開されており、一部概要を和訳(google翻訳)します。
https://arxiv.org/pdf/1804.03159.pdf

我々は、光ベースの量子コンピュータのためのオープンソースの量子プログラミングアーキテクチャであるStrawberry Fieldsを紹介します。 Strawberry Fieldsは、Pythonで構築され、連続可変回路の設計、シミュレーション、最適化、および量子機械学習用のフルスタックライブラリです。このプラットフォームは、3つの主要コンポーネントで構成されています。(i)Blackbirdという名前の使いやすい言語に基づく量子プログラミング用のAPI。 (ii)NumPyとTensorflowで構築された3つの仮想量子コンピュータバックエンドのスイート。 3つの組み込みシミュレータ、および近い将来、光子量子情報処理器を含む様々なバックエンドでBlackbirdプログラムをコンパイルすることができるエンジン。ライブラリには、テレポート、(ガウス)ボソンサンプリング、瞬時量子多項式、ハミルトニアンシミュレーション、変分量子回路最適化などのいくつかのパラダイムアルゴリズムの例も含まれています。

ライブラリなども揃っているシミュレータでPythonで実行できるようです。

シミュレータの特徴

ざっくり見て見ます。

1、インタラクティブなGUI
ブラウザからクリックやドラッグで回路が作れます。

2、GUIからコードへ
コードも自動生成

3、シミュレーション結果の可視化

4、実例豊富
プログラム済みの実例豊富です。

githubリポジトリ

githubにリポジトリがあります。
https://github.com/XanaduAI/strawberryfields

インタラクティブ

こちらのサイトからインタラクティブなGUIが使えます。
こちらはあとで詳しく見たいと思います。

https://strawberryfields.ai/

ドキュメント類

ドキュメント類はこちらから
https://strawberryfields.readthedocs.io/en/latest/

結構揃ってて豊富です。

インタラクティブを少し詳しく

ゲートのインタラクティブGUIを見てみると見慣れないコードや設定があります。
概観して見たいと思います。

先程確認したように超電導量子ビットとはちょっと取り扱いも違うところがあるようです。
使い方は簡単で、数の赤線で囲まれた部分のゲートを回路にドラッグ&ドロップでいれてみます。

IBMQなどと比べるとゲートの種類が違っていて結構面白いです。
ゲートの機能や計算に関してはこのページに記載があるので詳しい人は見て見てください。
https://strawberryfields.readthedocs.io/en/latest/conventions/gates.html

量子状態も複数あるようです。下の方のSimulation Typeで変更ができます。
https://strawberryfields.readthedocs.io/en/latest/conventions/states.html

測定も複数あります。こちらも変更できます。資料はこちら。
https://strawberryfields.readthedocs.io/en/latest/conventions/measurements.html

設定

量子ビットの数やゲートの長さを変更できます。

上部から切り替えられます。

アルゴリズム実例

アルゴリズムは実例がたくさん実装されています。

タブから選ぶことで必要なアルゴリズムが回路にセットされてプログラミングが完了します。

まとめ

XANADUはとても真っ当な企業でした。。。
フォトニックマシンを有して開発を行いながら、フォトニックマシン向けの回路を最適化するゲートモデルのアプリケーションプラットフォームを開発しています。

フォトニックマシンは常温動作が可能なのと、比較的低コストで開発が行えることから当面のプラットフォームとして企業の開発を進めていくということだと思います。

一旦簡単にまとめました!

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