@yuichirominato 2018.12.17更新 283views

IonQで注目のイオントラップ型量子コンピュータとは?

IonQ イオントラップ イジング レーザー 量子ゲート 量子コンピュータ

米国で行われたビジネス向けの量子コンピュータ会議のQ2Bでイオントラップ型と呼ばれる量子コンピュータを開発するIonQが突如高性能の量子コンピュータを発表し話題になっています。聞きなれないイオントラップ型の量子コンピュータの原理についてまとめたいと思います。主に、「量子コンピューター最前線」の管理人で有名な宇津木氏の資料をもとにまとめています。

量子コンピューター最前線
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ノーベル賞頻発の重要技術「イオントラップ」

イオントラップは名前の通り、イオン化された原子核を捕捉(トラップ)し、冷却したのちにレーザーを照射してスピンの制御を通じて量子計算を行います。今回このイオントラップの実用化を進める米国のベンチャー企業IonQの発表では、160量子ビットを準備し、79量子ビットで計算を行なったということです。

このイオントラップは20世紀の後半から何度かノーベル賞を取っている重要技術で、これまで実験で培われてきた技術を実用化に持っていこうというのはとても驚きです。

イオントラップ、冷却、冷却

イオントラップを実現するには、まずはイオンをトラップする必要があります。このために、rf電場2と静電場2の合計4つの電極を使って、空中に一列にイオンをトラップします。

次にトラップされたイオンを両側からレーザーを当ててドップラー冷却によって数mKまで冷却する。ドップラー冷却は動いている原子に両側から原子が吸収できるよりも少し長い波長のレーザーをあてることで、ドップラー効果により原子がどちらに動いても対向する光を吸収して減速するという仕組みを利用して冷却をして動きを止める。

最後にサイドバンド冷却、光ポンピングという手法で照射するレーザーの周波数を調整してあげることで、励起状態と基底状態を行ったり来たりしながら徐々に冷却を進めることができる。そうすることで極低温まで冷却を行なってイオンを操作できるようになる。

量子計算と操作

このようにトラップして冷却したイオンを操作するにはレーザーが利用される。単体の量子ビットの操作にはレーザーを使ってスピンの操作、2量子ビットは振動モードと呼ばれる重心運動などが利用される。これらの操作を行うことで、イジング型の量子スピンモデルや量子計算などが行われている。計算の読み出しはDetectorを使って実際に光っている蛍光をレンズを通じて観測をすることでできる。

事業化に向けてIonQ

米国のメリーランド大学の研究者によって2016年に設立されたのが米国のベンチャー企業IonQで、このイオントラップ型の量子コンピュータの実用化を進めている。兼ねてからamazon awsやGV(google ventures)から出資をうけて注目されていたが、ついにイッテルビウムイオンを活用したイオントラップ型の量子コンピュータの全貌が明らかにになりつつあり、160量子ビットを兼ね備えて79量子ビットの計算ができているモデルの提供を開始するという。

IonQ
https://ionq.co/

また、IonQでは、イオントラップをチップ化し、これまで4本の電極の間にトラップしていたイオンを、電極を平面に並べて空中トラップする技術も持っている。最近では、Googleが超電導量子ビットで72ビットを実現しているが、量子超越性の実現や、そのエラー率の高さに開発が苦労しているが、今回はダークホースとしてイオントラップが出現し、さらに量子コンピュータ業界が意外な形で盛り上がってきた。

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