@yuichirominato 2018.11.24更新 182views

耐量子コンピュータ暗号およびセキュリティに関するレポート

ECDSA RSA shor 位相推定 暗号 素因数分解 量子ゲート 量子コンピュータ 量子フーリエ変換 離散対数問題

はじめに

量子コンピュータが完成すると暗号が解けるという懸念があります。これは主に、量子コンピュータを利用して位相推定アルゴリズムと量子フーリエ変換を組み合わせたShorのアルゴリズムのことだと思います。主に暗号のベースとなる素因数分解や離散対数問題が解けるという理論的な話がベースになっていると思います。

原理的に問題が解けてしまうのでは仕方がないので、その対応として現在考えられているのが次世代の暗号や通信などです。耐量子コンピュータ周りの動向を確認してみたいと思います。

特にセキュリティ対応の対象が公開鍵暗号と呼ばれる方式で、オンラインの通信や仮想通貨、そのた様々な場面で利用されています。実はあまり知られていませんが、GoogleのブラウザのChromeでは、2016年から2年の計画で耐量子コンピュータ暗号の提供が試験的に行われていました。
https://security.googleblog.com/2016/07/experimenting-with-post-quantum.html

耐量子コンピュータソリューションが提供され始めている

最近では耐量子コンピュータソリューションは量子コンピュータ業界で少しずつ認知され始めてきており、対応が取られ始めています。下記は海外のbohr technologyが提供してる量子コンピュータカオスマップですが、アプリケーション領域で注目されているのがセキュリティ分野です。


引用:https://www.bohr.technology/blog/quantum-computing-landscape-july-2018

その中でもセキュリティの一番上に出ているISARAに注目してみたいと思います。ISARAは量子コンピュータセキュリティ業界で注目の企業で、すでに大手企業にソリューションを提供しています。

ISARA

ISARAはカナダのベンチャー企業で、カナダのウォータールーにある注目企業です。主に耐量子コンピュータソリューションを提供している企業で、様々な製品群があります。最近ではブラックベリーへの耐量子コンピュータコード署名サーバーを提供していることで注目され、大型の資金調達も実現しています。

一部プレスリリース翻訳

2018年11月に提供されるBlackBerryの新しい量子耐性コード署名サーバーは、機敏な量子安全セキュリティソリューションのリーダーであるISARA Corporationの暗号ライブラリを使用しています。BlackBerryとISARAの技術を組み合わせることで、重要なインフラストラクチャ、産業用制御装置、航空宇宙・軍事用電子機器、電気通信、交通インフラ、接続された車などの長期にわたる資産のソフトウェアを、量子コンピュータがますます危険にさらされる将来から保護することができます。伝統的なコード署名方式を簡単に破ることができます。

ISARAのプレスリリース
https://www.isara.com/blackberry-quantum-resistant-solution/

ブラックベリーのプレスリリース
https://www.blackberry.com/us/en/company/newsroom/press-releases/2018/blackberry-adds-new-quantum-resistant-solution-to-its-cybersecurity-arsenal

量子コンピュータの脅威に対してきちんと対応をしています。

日本でも進む対応

日本でも対応が進んでいます。各種組織が新型の暗号の研究開発をおこない、対応を急いでいます。NICTや日本銀行金融研究所を始め、国内のメガバンクなども量子コンピュータに対応するプロジェクトを着々と進めています。

格子暗号の実用化に向けて / NICT
https://www.nict.go.jp/publication/NICT-News/1303/02.html

量子コンピュータの解読に耐えうる暗号アルゴリズム 「格子暗号」の最新動向 / 日本銀行金融研究所
https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/15-J-09.pdf

量子コンピューター、金融大手が活用へ
暗号破りに備え、運用手法の最適化も / 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35518520Z10C18A9EE9000/

弊社MDRは上記の記事の通り、株式会社三菱UFJ銀行様と共同で慶應大学のIBMQを活用した量子コンピュータ実機での検証・開発を進めています。

格子暗号について

格子暗号は次世代の暗号の1つとして注目されています。格子暗号は最近では少しずつ特集や記事が出始めていますので、少しずつフォローしていきたいと思います。

LWE格子暗号による暗号化をやってみる
http://inaz2.hatenablog.com/entry/2017/05/27/003343

サイエンスZERO 「量子コンピューターでも解読不可能!?新しい暗号誕生なるか」
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2018087537SA000/index.html

格子暗号の実用化に向けて / NICT
https://www.nict.go.jp/publication/NICT-News/1303/02.html

量子コンピュータの解読に耐えうる暗号アルゴリズム 「格子暗号」の最新動向 / 日本銀行金融研究所
https://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/15-J-09.pdf

簡単ですが、ざっと概要をおさえてみました。

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